「粉は何をつかっているの」

小さい頃,、母はよく「うどん粉」って言い方をしていました。そうなんだぁ!うどんって「うどん粉」で作るんだぁ。でも、大きくなって周りを見ても「うどん粉」ってどこにも無いんです。
母が言っていた「うどん粉」の正体はいったいなんだったのだろうか。

うどんは小麦粉と塩と水だけでつくられています。例外的に混ぜ物(タピオカ澱粉)や変りうどん(わかめ、よもぎ等)が有りますが、基本的にはうどんは小麦粉を使っています。小麦粉の中でも中力粉っていう種類の粉がうどんに適しています。

「小麦ってなあに」
小麦は稲科の小麦属に属します。
一粒系、二粒系、普通系、チモフェー系をあり、デューラム小麦は二粒系ですが、食用で使われているほどんどは普通系です。
よく知られている分類に春小麦と冬小麦という言い方がありますが。春小麦は春に種子を播いて秋に収穫し、秋に種子を播いて翌年の夏頃に収穫するのが冬小麦になります。
日本で栽培されているのは冬小麦でうどんに適しているのも冬小麦です。
また、粒の硬さによって「硬質小麦」「中間質小麦」「軟質小麦」にわけられ、カナダ、アメリカ産硬質赤小麦は、強力粉に加工されパン用小麦等に使用され、うどんには中間質のオーストラリア産小麦、国内産小麦が使われています。

硬質小麦(強力粉に加工されます)

【特長】蛋白質を多く含んだ小麦で粒が硬く、粘りと弾力が強いのでパンや中華麺に向いています。
【代表的銘柄】
H.R.W.(ハード・レッド・ウインター)(産地:アメリカ)
D.N.S.(ダーク・ノーザン・スプリング)(産地:アメリカ)
1C.W.(No1カナダ・ウエスタン・レッド・スプリング)(産地:カナダ)
PH.(プライムハード)(産地:オーストラリア)


中間質小麦(中力粉に加工されます)

【特長】蛋白質の含有量は中くらいで延びが良く乾麺や茹麺に向いています。
【代表的銘柄】
A.S.W.(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)(産地:オーストラリア)
国内産小麦(日本)


軟質小麦(薄力粉に加工されます)

【特長】蛋白質の含有量が少なく、適度に柔らかく、ビスケット、ケーキ等の菓子、天婦羅に向いています。
【代表的銘柄】
W.W.(ウエスタン・ホワイト)(産地:アメリカ)


デュラム小麦(マカロニ、スパゲッティー専用粉に加工されます。)

【特長】非常に硬い小麦で、セモリナと呼ばれるあらびき状態で使われます。
【代表的銘柄】
CA DRM(カナダ・アンバーデュラム)(産地:カナダ)


「製粉」
小麦を製粉して小麦粉になります。(デュラム小麦は例外であらびき状態で使用します。)
小麦にもお米と同じように皮、胚芽、胚乳部分が有りますが、通常小麦粉に使うのは胚乳部分です。この胚乳部分を一度に粉にするのではなく、胚乳を細かな層に分ける感じで粉砕とふるいを繰り返し数十にも分けられます。この数十に分けられた部分の組み合わせによって製品は作られています。製品によって特徴が出るのはこの組み合わせ方によります。


「各社の代表的なうどん用製品」

スーパーの売り場に小麦粉が売っていますね。私の近所のスーパーには日清製粉のカメリアが置かれています。代表的な薄力粉で、きっと皆さんの身近にも薄力粉は売られているでしょう。うどんに使う中力粉にもうどんに適した配合をした専用粉が各社から販売されています。ほとんど身近で見る事は無いと思いますが、各社それぞt配合を工夫して特徴を出しています。実際、使用する粉によってうどんの特徴が決まると言ってもよいでしょう。また、同じ粉を使っても打ち手によって味が変わります。最近は澱粉(タピオカ)を配合した製品も出てきています。個人的には味に欠けるのと変な腰が出るので好きじゃありませんが、冷凍麺を定着させた魔法の粉と言え、例えば科学調味料のようなもので、簡単にうどんの腰のようなものを出す事が出来ます。

日清製粉 (香)白椿、(香)(特)雀、金魚、(赤)すずらん、浜街道、
日本製粉 めん匠、特宝船、宝船、めん小町
日讃製粉 緑あひる、みどり水晶、(A)白鳥
木下製粉 白バラ、赤バラ、讃岐すずらん
吉原製粉 づづみ、白鳳、讃岐の地粉C
平和製粉 キング
徳島製粉 赤とんぼ、HO
ホーコク製粉 チャンピョン
久保田製粉 舞弁天